ウィスキーや、ウィスキーを使って作られるハイボールはほとんど糖質が含まれないお酒です。ですが、これら蒸留酒の中には、僅かながら糖質が含まれるものもあります。
そこで、蒸留酒の糖質量を一覧で紹介。さらに、お酒を飲む事で太りやすくなる原因についてもまとめました。
蒸留酒の糖質量 一覧
文部科学省から発表されている「第2章 五訂増補日本食品標準成分表(本表)」の項目内、「し好飲料類 (PDF)」を参考に、一般的な蒸留酒の糖質量を一覧にしています↓
蒸留酒 | 炭水化物(糖質) |
---|---|
焼酎(甲類) | 0g |
焼酎(乙類) | 0g |
ウィスキー | 0g |
ブランデー | 0g |
ウォッカ | Tr |
ジン | 0.1g |
ラム | 0.1g |
ウォッカの表中にある「Tr」は、トレースの略で「微量」の意味があります。具体的には「最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満」とされていますが、いずれにしても ほとんど含まれていないという事です。
蒸留酒は、アルコールと水の「沸点の違い」を利用して、度数の高いアルコールだけを抽出したお酒です。
飲用アルコールの沸点は、焼く78.3℃です。そして、水の沸点は100℃。
お酒を加熱していくと、先に沸点が低い「飲用アルコール」だけが蒸発していきます。蒸留では、アルコールだけが蒸発するように78℃程度でゆっくりと加熱し、蒸気を集めて冷却し蒸留酒としているわけです。
このように、アルコール部分だけを厳選する蒸留過程で、原料となっているお酒に含まれていた、ほとんどの糖質がカットされている事になります。
蒸留酒を使ったカクテルに注意しよう
蒸留酒自体は、ほとんど糖質ゼロですが、カクテルとして使う場合には注意が必要です。
特にジン・ウォッカ・テキーラ・ラム等の「スピリッツ」は、カクテル用の材料としても頻繁に使われ、他の飲み物と混ぜる事が多いタイプ。
一例をいくつか紹介します↓
◯◯トニック系
ジントニック、ウォッカトニック等のカクテル。トニックウォーターには、100mlあたり7から8g程度の糖質が含まれています。
ジンジャエールで割った系
ウォッカ+ジンジャーエールのモスコミュール。ジン+ジンジャーエールのジンバック等が代表的。ジンジャエールには100mlあたり4.5g程度の糖質が入っています。
スピリッツ+ジュース系
ウォッカ+オレンジジュースのスクリュードライバー。ジン+オレンジのオレンジブロッサム。これらは、ジュースに糖質が多め。種類にもよりますが、オレンジジュースの糖質量は100mlあたり10g以上はあります。
テキーラ・サンライズというカクテルでは、オレンジジュースに加え「グレナデンシロップ」を加えるので、糖質量はさらに多いです。
フィズ系
ジンフィズやらラムフィズなど。ベースはスピリッツ+ソーダ+レモン等ですが、これに加えパウダー状の砂糖を加えています。
モヒート
ラムにミントを大量に入れたカクテル。一見、さっぱりとしていて糖質量は少なそうですが、砂糖をたっぷり入れて作っています。
スッキリ感があり「砂糖の甘さ」が相殺されて飲みすぎてしまうタイプなので要注意です。
ブランデーに注意しよう!
ブランデーは果実を蒸留して作ったお酒。かなり大雑把な言い方をするなら「ワインを蒸留するとブランデーになる」というイメージです。
一般的なブランデーは糖質を気にする事はありませんが、「コニャック」「アルマニャック」等については、糖質の注意が必要です。
「コニャック」「アルマニャック」は、糖やカラメル等の添加物の入れる事が認められているためです。糖を入れる量は全体の2%まで、カラメルはブランデーの色素調整するために使われています。
微量な事と、ブランデー自体 ガブガブ飲むものではないので、気にしすぎる事はありませんが、コニャックとアルマニャックには糖質ゼロではないタイプもある と覚えておいて下さい。
ちなみに、同じ葡萄から作られるワインは、蒸留酒ではなく醸造酒ですが、醸造酒の中では比較的 糖質量が少なく使いやすいタイプのお酒。
ただ、ワインの種類によっては糖質量が大幅に違うので注意が必要です↓
▶関連:糖質が多い「甘い」赤ワイン・白ワインの国別一覧まとめ
ただし「アルコールの強さ」で太るケースはある
アルコールは、一般的に「エンプティカロリー」とも呼ばれていて、カロリーが高い割に 他の食品と比較してのカロリー分量程の影響は少ないと言われています。
ただし、アルコール度数が高くなると「太りやすくなる原因」となってしまうケースがあります。
まず、食事によって摂取した糖質は、小腸で吸収され「血糖」として血液内に移動した後、次のような順番で使われていきます。
- 血糖が上がると、筋肉の細胞エネルギーとして使われる
- 余った血糖は、グリコーゲンとして筋肉や肝臓内に一時貯蔵
- それでも余ると中性脂肪として格納される
この、2番目の部分の「グリコーゲンとして貯蔵」が、アルコール度数が高いほど太る原因を知る時に大事なポイント。
体内にとって「アルコール」は、そもそも毒素です。なので、肝臓が優先的にエネルギー源として使おうとします。
なので、血糖(糖質)よりもアルコールが優先されてしまうということ。
アルコールが優先される事で「グリコーゲンとして貯蔵する」という機能がおろそかになってしまい、一時貯蔵されるはずのグリコーゲンが行き場を失わう事に。
行き場をなくしたグリコーゲンは、中性脂肪となってしまうため太りやすくなるという仕組みです。
「蒸留酒」は、その製造過程からアルコール度数の高いお酒。こういった仕組みも起きやすくなっているので、飲み過ぎには注意しましょう。
「米国糖尿病学会」によると、アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量 としています。
ウイスキー(度数43%)なら70ml程度で、ハイボール約2杯分程度の量。焼酎(度数25%)なら約120mlで、多めのロックで2杯程度。水割りで3杯程度という量になります。