糖質制限でコレステロールも下げる事ができる?上がる理由は?

糖質制限で糖質をカットする状態が続くと、コレステロールが上がったり下がったりするケースが多くあるようです。

では、コレステロールが下がったり、逆に上がったりするのは、どのような原因が考えられるのでしょうか?

 

そもそもコレステロールとは何?

コレステロールは肝臓で作られている成分です。

一般的に「多いと悪い」のようなイメージのあるコレステロールですが、実際には、体にとって欠かせない役割があります。

この事を理解するには、「酸化ストレス」と呼ばれるものを理解しておかなくてはいけません。

人は酸素をとりこんで体内のエネルギーを活用していますが、この時に、体内で不完全な状態で還元されたものが「活性酵素」です。

活性酵素自体は生理活用敵な因子として必要なものである一方、体の成分と「悪い反応」をしてしまう場合も多く、老化・癌・動脈硬化等の様々な要因にもなっています。

(「抗酸化作用」のように、美肌や老化防止をウリにする商品にも、頻繁に活性酵素を除去しよう!と出てきますよね)

この活性酵素が増えてくる状態が酸化ストレスが高くなっている状態だと言われます。

酸化ストレスが高くなった時には、血管の内側の細胞(血管内皮細胞)が傷つけられ動脈硬化の原因にも。

そして、この血管内皮細胞を修復するために集まってくるのがコレステロールということです。

肝臓で作られたコレステロールを運ぶのがLDLコレステロールで、逆に回収して戻すのがHDLコレステロールです。

運ぶ方のLDLは、悪玉コレステロール等とも呼ばれていましたが、「血管内皮細胞を修復する」という役割を知っていると、単純に細胞を直すために 運ばれているだけであって、本来は悪玉も何もないという事も理解できるはずです。

ただし、酸化ストレス状態が続くと、抹消で修復中のLDLコレステロール自体も酸化してしまって、酸化LDLコレステロールという悪玉になってしまいます。

 

糖質制限でコレステロールが下がる理由

酸化ストレスを上げる要因は、「喫煙」や「紫外線等の浴びすぎ」が代表的ですが、その他にも、糖質を過剰摂取する事でも酸化ストレスを上げてしまいます。

糖質が酸化ストレスに影響する理由は次のとおり↓

  1. 食後高血糖&高インスリン血症の組み合わせて、血糖値が乱高下する事で酸化ストレスが上昇する。
  2. 高血糖時に糖質がタンパク質と反応し糖化反応を発生。糖化が進みAGE(終末糖化産物)になると、血管内皮細胞を傷つけて酸化ストレスを上昇させる。

血糖値の乱交化&あちこちで起こる糖化反応によって、酸化ストレスが起こり、血管内にダメージを与えるというわけです。

もし、糖質制限をしてコレステロール値が下がった場合には、もともとダメージを受けていて、コレステロールによって修復中だった血管内皮細胞が回復し、それに伴って「修復係」として働いていたコレステロールも減った、と考えられそうです。

 

糖質制限でコレステロールが上がる理由

糖質制限によってコレステロールが増えた場合。

この場合は、もともと血管内皮等にダメージもなく、コレステロールも正常だったけど、コレステロールを上げやすい食生活に変化した事によって上がっていると考えられます。

糖質制限中に食べるものは、炭水化物をカットし、代わりに肉・卵・チーズ等のタンパク質や脂質を中心としたものに変化します。

そして、これらのものは一様にコレステロールを上昇させやすい食べ物です。但し、食べ物のよって上がったコレステロールは一時的なもので、肝臓によって徐々に調整されていきます。