糖質を摂りすぎる事で、なかなか疲れが取れなくなったり、疲れやすくい体になってしまうケースがあります。
その理由と仕組みについて解説しました。
理由その1.糖質過多が理由で低血糖になっている
糖質を含む食事を摂取すると、酵素等によって分解された糖質は腸で体内に吸収されます。
体内に吸収された糖質は「血糖」として血液中に移動するため、糖質を摂取すると体内の血糖値が上昇。
血糖値が上昇すると、その血糖をエネルギー源として活用するために、膵臓からインスリンが分泌。血糖はインスリンによって筋肉や脂肪に取り込まれたエネルギーや貯蔵用エネルギーとして活用されます。
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このとき、血糖は「とりこまれて」いくために、摂取時とは逆に今度は血糖値 が下がっていきます。
インスリンは、各種ホルモンの中で唯一「血糖値を下げるホルモン」と呼ばれますが、実際には筋肉や脂肪にとりこむ事で下げているように見える というわけ。
このように、インスリンが血糖を利用するためにとりこむ作用は、体にとって欠かせない機能ではありますが、摂取する糖質の量が多いと問題が発生します。
糖質過多になると、血糖の量も急上昇してしまうため、それを頑張って取り込もうとするあまり、インスリンの量も過剰に分泌されてしまいます。
「糖質過多⇒インスリン過剰分泌」の流れが日常化すると、インスリンを分泌する膵臓が疲弊していき、正常な量のインスリンを分泌できないという状態に。
正常ではないインスリンの分泌とは、インスリンを過剰に分泌してしまうという事であり、その結果、必要量以上に血糖値を下げてしまって「低血糖」になってしまうのです。(反応性低血糖症と言われます)
低血糖の主な症状として次のようなものが挙げられます↓
- 慢性的な疲労
- 起床時の疲れ
- 食後の強い眠気
- 集中力の欠如や無気力
- めまい・ふらつき・偏頭痛
- 甘いものが無性に食べたくなる
特に最後の「甘いものが無性に食べたくなる」という状態については、糖質過多によるインスリン乱発で疲弊している膵臓をさらに酷使させてしまう要因となり非常に危険。
疲れやすくて、いつも甘いものが欲しくなる人の場合は、糖質の取り過ぎによる低血糖を疑った方が良いかもしれません。
理由その2.ビタミン不足になっている
各種ビタミンB群は、体内のエネルギーを作り出す代謝を助ける働きもある重要な栄養成分ですが、中でもビタミンB1は炭水化物(糖質)をエネルギーに変換する時に重要な栄養素です。
摂取している糖質量が多いと、当然、このビタミンB1もどんどん使われていき、体内にある総量も減っていきます。
また、そもそも、ビタミンB群は体内に貯めておく事ができないので、意識的に摂取しなくてはならず、不足しがちです。
こうしてビタミンB群(この例ではビタミンB1)が減っていくと、疲労・倦怠感・イライラやストレスの要因になっていきます。
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理由その3.糖質中毒になっている
糖質は中毒性が高い成分として有名です。
中毒性とは、いわゆる「快感を感じる」という状態でもあり、脳内のA10神経系と呼ばれるところが刺激されると「ドーパミン」が放出されて、快感を感じる状態が生まれます。
糖質を摂取すると、こうした脳内報酬系の部位を刺激し、同じ作用が起こる事が各種研究で明らかになっていて、その中毒性の高さは薬物中毒よりも上とされるほど。
こうした中毒状態が続くと、摂取していない間には不安症状やイライラ感等の不快な状態が生じ、「不安」や「イライラ」が続く事で疲れやすくなってしまっていると考えられます。
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糖質制限してるのに疲れやすくなっている場合は?
このように、糖質を摂りすぎている事で「疲れがとれない」「疲れやすい」といった状態になりやすくなっている一方。
逆に糖質をカットしているのに、疲れやすくなってしまっている人もいるようです。
そもそも糖質は、「必須糖質」と呼ばれるものはなくて、必ず摂取する必要はないと言われています。これは、糖新生と呼ばれる体内の作用によって、自分自身で糖質を生み出す事ができるためです。
糖新生は、糖質をカットしていると活性化されます。
糖新生には、筋肉の主要成分であるタンパク質から分解されたアミノ酸が原料と一部となっていますが、糖質だけをカットしていて、タンパク質や脂質の量が足りないと、筋肉量が減ってしまい疲れやすくなってしまいます。
ですので、正しい糖質制限の方法は、糖質をカットするだけではなくて、糖質が減った分、タンパク質や脂質をしっかり摂取する事が重要となります↓