糖質制限ダイエットを成功のためにインスリンの作用を知ろう!

「糖質制限をする」という事は「インスリンの分泌を抑えるためにやる」と言っても過言ではありません。

そこで、この記事では そもそもインスリンとは何か?という事と、脂肪とインスリンの関係性についてまとめます。

 

インスリンとは何?

インスリンは、すい臓内のランゲルハンス島β細胞から分泌されているホルモンです。

インスリンが分泌されるパターンは2つあります↓

  • 常時、一定量分泌されている。(基礎分泌)
  • 食事後等で血糖値が急上昇すると分泌。(追加分泌)

では、すい臓から分泌されるインスリンには、どのような役割があるのでしょうか?

 

インスリンの特徴と役割

インスリンの役割には、次のようなものがあります。

  • 血糖値を下げる
  • 筋肉に血糖をとりこむ
  • 脂肪細胞に血糖をとりこむ
  • 空腹時にある自然な体脂肪分解をストップさせる

インスリンを代表する役割が「血糖値を下げる」というもので、筋肉や脂肪細胞に血糖を取り込む事で、血糖値を下げる役割を持っています。

血糖値があがるのは、何も食べ物を食べた時だけではなく、人の体が自分自身で糖を生み出す「糖新生」と呼ばれる作用でも上がります。

インスリンの基礎分泌がない場合は、空腹時の通常の正常値が100mg/dl程度のものが、300mg/dlを超えてしまう場合もあるほど。

つまり、インスリンがなければ、「甘いもの」や「炭水化物」を食べていなかったとしても、血糖をコントロールできず、高血糖になってしまう場合もあるという事です。

 

インスリンとダイエット(脂肪)との深い関係とは?

血糖値をコントロールするのに、体にとって必要なインスリンですが、一方で「肥満ホルモン」と不名誉な名前で呼ばれてしまう場合もあります。

これは、甘いものを摂りすぎる事で血糖値が急上昇した場合に、インスリンが悪い方向に作用してしまう事が理由。

通常、血糖は次のような順番で利用されています↓

  1. 血糖が上がると、筋肉の細胞エネルギーとして使われる
  2. 余った血糖は、グリコーゲンとして筋肉や肝臓内に格納
  3. それでも余ると中性脂肪として格納される

インスリンが血糖を筋肉や脂肪に取り込むメカニズムには、実は、こんな順番が存在しているのです。

成人男性を例にすると、実際に血管内に蓄える事ができる血糖は5グラム程度、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられる血糖は300グラム程度です。

サッポロビールが行った調査によると以下のようなデータがあります↓

一日の食生活で摂取している糖質量を調査したところ、基準値(男性250g/女性200g)に対し、実際に摂取している糖質の総量の平均は男性309gで、角砂糖約15個分が過剰であることがわかった。女性は332gで、角砂糖約33個分を余分に摂取している。

出典:http://news.mynavi.jp/news/2015/05/26/014/

1000名程度を対象に、日本人の平均的な糖質量を調査したものですが、男女ともに300グラムを超えてしまっている事が分かりますね。

血糖がグリコーゲンとして保管される時、「一時保存」と例えられます。

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肝臓におけるグリコーゲンは約12〜18時間で枯渇。筋肉 内のグリコーゲンは、運動による負荷があった時にのみ消費されます。

日頃、運動をしている人は、筋肉内のグリコーゲンも少なく 糖質を摂取しても問題なさそうに思えますが、日本人の平均値が1日あたり300グラムを超える量の糖質を摂取しているという現実を踏まえると…

「一時保存」を超える割合で糖質を摂取しているので、糖質過多となりグリコーゲンとして貯蔵できる量を超え血糖が溢れた状態となり、インスリンによって、どんどん中性脂肪として格納するしかないと状態になっている人が多そうです。

ちなみに、中性脂肪は、空腹時には「体脂肪分解」として徐々に消費されます。

ところが、インスリンが過剰に分泌され、血糖を中性脂肪に格納する動きが活発化している時には、体脂肪分解もストップしている状態に。

インスリンがダイエットに深い関係がある理由をまとめると、太る要因と痩せにくい要因のダブルパンチが大きない原因となっているようです↓

  • 太る要因:過剰にインスリンが分泌される事で、血糖が脂肪にとりこまれ中性脂肪が増える。
  • 痩せにくい要因:インスリンが過剰に活動中には体脂肪分解もストップする。

基礎分泌的なインスリンは、体内の血糖コントロールや血糖をエネルギーとして活用するために必要なもの。

そして、甘いものや炭水化物を摂取した後に起こる、追加的なインスリンは、ダイエットの敵になると覚えてみて下さい。

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