糖質制限でアトピーやアレルギーが改善する理由と関係とは?

糖質制限をしている人の多くが、アトピーやアレルギーの改善を実感しているようです。では、糖質をカットする事と、これらアトピーやアレルギーにはどのような関係性があるのでしょうか?

 

糖質制限とアトピーアレルギーの関係・改善すると言われる理由

アレルギーはある一定の要因(花粉、ハウスダスト、ダニ、食べ物等)が原因で免疫異常を起こし、アトピーは複数の要因が絡んで原因を特定しにくい免疫異常とされています。

このように厳密に言うとアトピーとアレルギーは違うものですが、ここでは便宜上「アレルギー」として解説していきます。

筆者の知り合いで、原理的にはほぼ糖質制限と同じである「グルテンフリー」を実施している人の話を聞いてみると「グルテンフリーを初めて、今年から花粉症が出なくなった!」とのこと。

また、多くの人が糖質制限をする事でアレルギーが改善されたとの報告もあるようです。

では、糖質を制限するとなぜこれらのアレルギー系の症状が改善されるのでしょうか?

まず、糖質を含む食べものを食べて腸内で吸収されると「血糖」として血液中の糖が増えます。そして、この血糖をエネルギー源として活用するために、筋肉や脂肪に取り込む働きをするのが「インスリン」です。

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「血糖をとりこむ」という事は、第三者的に見てみると「血液中の血糖を減らしている」と見えるため、インスリン=血糖を下げるホルモンとなっています。

インスリンは血糖をとりこむために必要なホルモンではありますが、過剰に糖質を摂取すると、それに合わせるようにインスリンの分泌量も急上昇します。

インスリンが大量分泌されると「血糖値が急激に下がり過ぎてしまう」という現象が起きますが、低血糖にならないために、今度はコルチゾールと呼ばれるホルモンが出て血糖を上昇させます。

そして、コルチゾールは炎症を抑えるホルモンでもあります。

糖質の取り過ぎによって、血糖値の乱高下を繰り返していると…インスリンを生み出す膵臓や、コルチゾールを生み出す副腎を酷使してしまっているということ。

こうした酷使した状態が続く事で、副腎の機能が低下してしまい、炎症を抑えるはずのコルチゾールの分泌能力も低下。

…その結果、なかなか炎症を抑える事ができずアレルギー症状を招きやすい、または回復しにくい、と言われているのです。

糖質を抑える事で、こうしたホルモンを生み出す臓器に過剰な負担をかける事が減り、代謝も良くなった事で「糖質制限でアレルギーがよくなった!」という人がいると考えられます。

 

一方でアレルギーがひどくなるケースも

過剰なホルモン分泌を抑えて臓器に負担をかけなくなる糖質制限ですが、糖質制限のやり方によっては、逆にアレルギーがひどくなるケースがあるようです。

糖質制限では、糖質をカットするかわりに「肉・卵・チーズ」等の摂取量を増やす事が一般的。

ただ、この時に あまりにも「肉だけ」「卵だけ」のような、偏りすぎた食生活を何週間も続ける事で、それがきっかけとなってアレルギーを悪化させてしまったり、アレルギーになってしまうという事の様子。

糖質制限中に摂取していい食材には次のようなものがあります↓

  • 魚介・卵・肉・豆腐・チーズ等のタンパク質や脂質を摂取
  • 糖質の少ない野菜 海藻類 キノコ 等からビタミンやミネラルを摂取

また、ナッツ等は間食として食べてもOK。お酒も蒸留酒であれば飲んでも良い飲み物です。

同時にカロリー制限をしてしまったり、あまり神経質になりすぎて逆にストレスになってしまわないように、バランスよく糖質をカットする事で、上記のような偏った糖質制限になる事を防ぐ事ができるはずです。

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